航空保険

航空保険とは、損害保険の一つであり、航空機の運行や整備、そして航空施設の管理などといった、あらゆる航空機にかかわることに関して起こりうるかもしれない危険からの損害を担保する保険のことをいいます。

航空機の事故は自動車事故などと比べると、発生する可能性はとても低いという統計的事実があります。

しかし、ひとたび航空事故が発生した場合、それに伴う、機体、貨物の損害をはじめとして、乗客、乗務員、第三者への身体などへの損害に対する賠償責任が生じるほか、事故自体の捜索や救助費用なども含めると、大災害といっていいほどの損害を被る可能性があります。

そのため、航空保険は、航空事業の経営をするにあたって、必要不可欠な存在といえます。

ただ、航空保険は、引き受けする損害保険会社からすると、事故への損害保険金の支払いがあまりに巨額になる可能性が高いので、単独でこの航空保険を担うことはあまりありません。

たいていは再保険を利用して複数の保険会社でリスクを分散させています。

代表的な航空保険は以下の通りです。

航空機保険（機体保険）・・・自動車でいう車両保険にあたります。

機体の墜落、衝突、火災などの偶然な事故による航空機自体や装備品に生じた損害を補償します。

第三者賠償責任保険・・・第三者、つまり地上にいる人たちなどへ損害を与え、法律上の損害賠償責任を被ることによって生じる損害を補償します。

乗客賠償責任保険・・・乗客に損害を与え、法律上の損害賠償責任を被ることによって生じる損害を補償します。

搭乗者傷害保険・・・座席ごとにかける保険です。

通常、第三者損害賠償保険では機長などは含まれていませんので、この保険でカバーすることになります。

捜索救助費用保険・・・航空機の行方不明や墜落などといった場合の、捜索費、そして搭乗者の救助費などを補償します。